モノづくりにおいて日本が得意とする技術とは

日本はモノづくりに長けた国であると言われています。確かに、日本の伝統技術をピックアップしたテレビ番組が高い視聴率を記録したり、海外でも日本の製品が好評を得たりと、日本の技術力の高さには目を見張るものがあるでしょう。一説によると、日本の技術力が高い理由には職人や技術を尊重し、育てていく国民的気質があるためと言われています。

とはいえ、日本の製造現場における技術力の低下をうれう声も聞こえてきます。伝統技術を継承していく若い職人が不足しており、数々の技術が絶える可能性があるということを耳にしたことがある人は少なくないでしょう。

しかしながら近年は、AIやロボットを活用し、職人技を効率よく次代へ継承していくことも不可能ではなくなっています。とはいえ、昔ながらのやり方や職人芸に魅せられる若者は少なくなく、人から人への技術継承は今も行われています。

日本のモノづくりが得意なのは、1から新しいモノを作るのではなく、既存のモノの良い点をすり合わせて組み合わせて新しいものを作る、あるいは既存のモノを改良・改善していく「すり合わせ技術」が必要とされる分野だといわれています。これでは少々わかりづらいですが、自動車を思い浮かべると分かりやすくなります。

日本が得意とする「すり合わせ技術」の凄さ

自動車には安全で快適な走行が求められます。そのためには、ボディ部分や制御部といった自動車のハード面に関わるものだけではなく、シートの柔らかさや振動の軽減など、ソフト面へも注力しなくてはなりません。どれか1つでも欠ければ安全性も快適性も損なわれてしまいます。

日本ではその絶妙なバランスを保った製品を作り出すことに長けています。実際に、海外でも日本の自動車は壊れにくく丈夫で、快適であると高い評価を受けています。一部地域では中古自動車であっても高い値段で取引されることもあります。

すり合わせ技術を得意とする日本のモノづくりは、大量生産・大量消費の現代にはマッチしないと考えられていました。実際に高度経済成長期以降、モノづくりの現場は日本ではなく、主にアジア地域などより人件費が低い地域にとって代わられるようになってしまいました。技術力の低下が叫ばれるようになったのもこの頃です。

しかしながら、現在は再び日本が注目を集めています。どれだけ技術が進歩しても、日本が得意とするすり合わせ技術が求められるためです。

モノづくり技術を支える「圧力計」とは?

日本の技術力をいかんなく発揮するために、どのような機械が用いられているかご存じですか?多くの現場で使われているのは圧力計です。水や空気、場合によっては油などの圧力を測定し、基準値を満たす水準であるかなどを確認します。

圧力計はアナログ式とデジタル式がありますが、バックライト機能があり暗所での作業もしやすい点や継続的なモニタリングも容易な点から、近年はデジタル式圧力計が用いられるケースが増えています。

使いやすいようデザインに配慮された圧力計もあり、ここでも日本のモノづくり技術の一端を垣間見ることができます。